
屈斜路湖岸を走る国道から津別峠へ向かう道路への分岐に差し掛かった頃にはまだ深い暗青色をしていた空は、峠の展望台へと走る最中に徐々に明るくなり、東の空は紫から赤へと色調を変化させていく。
つづら折りの道を、途中エゾシカが車めがけて飛び込み自殺を謀ろうとするのを卓越したハンドリング(?)でかわしたりしながら、アクセルとブレーキペダルを何度も踏み変えて駆け上がり、辿り着いた津別峠展望台からは、今まさに朝日が登ろうとしている屈斜路湖の全貌が広がっていた。

キンと冷えた山上の空気の中で見る陽の光が眩しく目を刺激する。
身体の細胞が朝日に射られて活性化するような心地良さを味わう。

秋の空に良く見られる白い絵の具を薄く流したような雲に、太陽の光が当たって雲が虹色に見える。気象用語で「彩雲」という現象だ。
この日の屈斜路湖はこんな天気が見えたと思ったら雨が降りだしたり、強風が吹いたり、目まぐるしくコロコロと変化を続けていく秋の天気だった。
さてさて、わざわざ札幌から遠く道東の屈斜路湖まで何をしに行ったのかと言えば、もちろん魚釣りなわけですが、釣れたのは30cmに届かないニジマスに、でっぷりと肥え太った健康優良児のウグイ数匹。まったくトホホな結果でした。
夕暮れ時に入った名も無い沢のインレットでは射程圏内で大物が立てたとおぼしき波紋が何度も広がってドキドキさせられはしたものの、私の毛鉤は無視され続け、思いっきり凹まされました。